2016年3月30日水曜日

三宅島レクレーションセンター完成!

本日、三宅村村長をはじめとするお歴々の皆さんに集まってもらい、完成お披露目会を開催。
関係各方面のご挨拶の後にMAX、M婦人、Gんのデモンストレーションクライミングを説明しながら主にリードウォールの使い方などを解説させて頂きました。
日本一の常設クライミング施設なので、今後の使用方法も島内外の皆さんにどんどん活用していけるように、ご検討、よろしく申し上げます!

まずは、関係者の皆さん、お疲れ様でした!
そして、ありがとうございました!

帰りの船のレストランでHッチ親分と乾杯したビールは、なんともいえない、苦味と美味さが、身体の奥深くまで染み渡った。

三宅島

年度末。
あらゆる公共工事のケジメの季節。
いろんな関係者がバタバタあたふたする季節。

そおゆう世界とは無縁に50年近く生きてきたきたけど、この歳で、
村とか、国とか、規則とか、法律とかの、いわゆる社会の中枢部と密接な仕事をするなんて、本当に人生どうなるかなんて分からないものだなあ。

というわけで、超穏やかな春うららな好天に恵まれた島に上陸。
初上陸のH婦人やM婦人も一緒だったので空いた時間に案内がてらにプチ観光。
ヤシャブシをはじめとする島の植物も新緑が芽吹いていて、今年も夏に向かっていることを実感。
アブの一種やてんとう虫などが大量に発生していてむしの季節も始まっている。

春だなあ~

2016年3月28日月曜日

New B-PUMP荻窪

東京現場2日目。
電車通勤の朝は早いし、座れないし、混んでる。
いつも思うけど、これこそが日本の原動力じゃないのかな?
忍耐力、耐久力、気合い、根性、我慢我慢。
電車初日にしてもうあきらめムード満載(笑)
今夜から三宅島現場の最終仕上げに行くために船に乗るので、さっそく2日間、電車乗らないで済む!

現場は見習い生が合計5人もいて、かなり賑やかで、手足がたくさんあるのでけっこうはかどる。
今回作るボルダーは5エリア。
おそらく日本最大(級ではないよ、どこぞのT社みたいに)のボルダージムなんじゃないかな?
もちろん自己最大現場。

ヨセミテという壁から始まる。
CADの読み込みも優れているのでなかなか順調にプラモデル?は組上がっていく!
今回はまた新たな工法を試してみる。
CADで作った3D図面の欠点を補う画期的な?試み。
名付けて「ゼブラシステム」
上手くいくかは明日以降の進捗次第。
乞うご期待(笑)

ところで今日はちょうど去年滝谷でこの世を去った親友の命日。
昨年に比べて桜の開花は遅れているけど、これから毎年この季節は思い出すんだろうなあ。
奴の分まで一生懸命生きよう。
今年も現場暮らしのなかで迎えたけど、やっぱりこれからも毎年現場で迎えるんだろうなあ(笑)
ヨセミテで一緒に登った頃を思い出しながら、来月またひとつ歳を取る。

デカイヤマ

始まりました、今年のデカイヤマ、その2!
大東京、その2
かな?
日曜日の早朝に搬入大会。
それでも宵越しの酔っぱらい多数。
早朝からどこぞへ向かう仕事、用事の人々多数。
総勢19人という個人的には過去最多の人員をかけたレベル5の搬入第1回は無事に終了。
また来週。
再来週も!?

2016年3月26日土曜日

RISE卒業!

JR東海道線戸塚駅東口を出て徒歩4分。
地下1階に広々空間。
4月7日仮オープン!
4月9日グランドオープン!!
朝10時から夜12時までの超ロング営業(予定)なので、神奈川西部、湘南地区のクライマーにはまたひとつ良いジムが出来ますよ。
駅近
駐車場も同じビル内にあるので雨の日とかは超便利。

今日は昨日の続きで色別課題別のセット作業。
この方式はどんなに易しい課題でも手足限定になってしまう。
余計なガバがないのでトップからクライムダウンがしずらい。
セッターの主張を全面に前面に出せるので、平成生まれの何故かやたら自己主張の強い(根拠の無い自信過剰?)若者のピチピチセットには好まれるこの方式は最近の主流になりつつある。
ここライズさんでは、限られた数量のホールドなのでそうせざるを得なかったんだけど。
今日はバリバリ昭和のYK姉とOザーン、登りが昭和のGんの四人でガシガシホールド取り付けて試登。
指皮減った!

休憩時間といえば、ここ痛い、あそこ痛い、痛い痛いという共通の話題でお互いに癒される(笑)

楽しいセットもあっという間に1日が過ぎ去って終了。
明日の早朝からまた違う現場が始まる。

オーナーのHらさん、
大変お世話になりました!

オープンまでもうひとがんばり、頑張ってくださいね!

2016年3月25日金曜日

RISE完成!

ちょうど2週間で、本日無事に壁工事とマット引き込み完了!
職人の皆さん、お疲れ様でした!
そして、オーナーのHらさん、お世話になりました!
思い起こせば1年前、別の物件の下見2回に始まり、戸塚の現在の物件に決めてからも様々な障害が次々と襲いかかる。ただでさえ不安一杯のストレスフルな人生の大勝負。すったもんだのあれやこれやの難関をひとつひとつ乗り越えて、ついにオープンまでカウントダウンにまでたどり着きました!
夕方から少しセットをGんとして、全部で10本、オーナーさんと一緒に試登してグレードのすり合わせ。
明日はYK姉とOザーンと四人でガシガシ取り付けて、どんどん課題増やしていきますぜ!

とにもかくも、皆さん、
お疲れ様でした!

2016年3月23日水曜日

締めは

今の現場のオーナーさんは、地元藤沢のある神奈川西部地区ではなかなか有名な3兄弟!
昨日は真ん中の弟さんのレストランバー?でナカジメを開いて頂きました。
料理がどれも美味しくて美味!
お酒も進んでしまい、最後は特選泡盛でノックアウト(笑)
免許を取って三宅島で練習したGんのおかげで帰れた!
あともう少しで完成。
皆の衆、頑張りましょう!

2016年3月22日火曜日

今朝は全身挫滅!
大渋滞のなか深夜未明に日帰りしてきたので疲れているけど、身体中の節々のアブラがなくてギシギシ引っ掛かる感じ。
加齢を直接実感する瞬間(笑)
こおいう痛みというか不愉快な身体の悲鳴は若い頃は全くなかったよなあー
でも季節は確実に春に移行してる。
昨日もブヨがたくさん顔の回りを飛んでいて、今日になってふくらはぎがかゆくてかいたら、ボコッと腫れていてびっくり。まともに喰われたわ。初喰われ!
林床を低空飛行するセンチコガネもいたっけなあ。
関東平野部でもコブシの花が満開だ。
というわけで、
スタッドレスタイヤの役目も終わりました!
夏タイヤ(?)に交換。
溜まっている事務仕事を超高速でさばくもすぐに飽きる(笑)
昨日使っちゃったヤル気はそんなにすぐには回復しないものだ。
考えていたことの3割ぐらいしかこなせかった。
ダメだなあ。
バッターだったら相当年俸いいのかもしれないけど。
まあぐだぐだ考えても仕方ない。今日も明日になっちゃったし、
明日もすぐに明後日になっちゃうし、
そおいうもんだろ!(笑)

2016年3月20日日曜日

せみ

季節はずれだけれども、豊田にムシトリへ!
というのは冗談だけど、城山エリアにある「せみ初段」をやりに連休真っ只中に日帰り遠征。
三宅島に行く前にリンゴを登れたので次のターゲットと決めていた。

基本的に独りでトライして、独りで解決するのが好きだけど、人気エリアなのでそうもいかない。
今日もたくさんの若い衆が来ていた。
ダッコちゃん周辺でアップして、さっそくせみへ。
大雨の後なので岩はどれもきれいにチョークが流されていてスッピン。
さっそくいろいろ想像を巡らせながらマーキングを入れていく。
乱視の自分には特にスタンスの粒々が登っていると全くといっていいほど認識できないので、予めのマーキングは必須事項。
最近はマーキングもチッピングみたいに悪行とのたまう一部の過激思想家がいるらしいが、文句があるならかかってきなさい(笑)
そんなにきれいにしたいなら発電機と高圧洗浄機をエリアごとに設置するぐらいの気概を見せてもらいたいものだ。
おっと脱線(笑)
じじいの独り言。

3回目ぐらいでマントルへ。
早くももらいか?とスキを見せた刹那にグラリと後ろに引力がかかってダメ。
下部のムーブをより完璧に組み立てて、タメも溜めていざ本気トライ。
もうあとたぶん数センチの体重移動で登れていたはずのところでフォール。
しかし今日中にはなんとか片付くと確信する。
そんなおりに若者がトライしたいというので登ってもらう。
いきなり自分とおんなじマントルの最後で落ちる。
あまりにスムースな動きだったので何回目、何日目ですか?と聞いたらオンサイトトライだったと!
オーっ、手練れじゃ!
続けざまに3回目で呆気なく完登。
いわく、これは初段らしい初段、と。
ついでにリンゴは登りましたか?と聞いたら一撃とのこと。あれは俊トラ並みに易しいとのこと。
うーん、人それぞれだねえ、クライミングって。
まあ、おそらく3~4段ぐらいをサクサク登れるような戦闘能力が自分のスカウターには見えていたので、あまり参考にはならないな。
とはいえ、
YouTubeは見ないけど、目の前であっさり登った残像が焼き付いているので、誘惑に負けてしまった(笑)
若者ムーブをいろいろ試してみる。
確かに出来る。
しかし決定的に良いというわけではなく、特にリップ止めとマントル返しはどっちもやはり悪い。
この迷いが良くなかった!
パフォーマンスが落ちてきたら力任せの若者ムーブの精度がどんどん落ちてきて止まる確率も極端に低くなった。
で、手数は多いけど自分のムーブに戻したらしっくりくるし、まだ完登を狙えるぐらいのライフが残っていそう(笑)

夕暮れ。
なんとか1日で仕留めてもう1本トライするつもりだったけど、人生常に予定通りには行かないものだ。

最後の最後に仕事の電話をやりとりしているうちに日没。
ヘッテン着けて最終トライ。
本日最後の渾身の力を振り絞ってマントル。
半身返したところでやはりあと数センチ身体上がらずフォール。
終わった。

初段を1日で登れないぐらいが今の自分の実力なんだなあ。
比べるのも大人げないけど、やはり若者のピチピチした動きは、眩しいなあ!

2016年3月18日金曜日

ライズ

東海道線戸塚駅東口を出て徒歩3~4分。
アピタ向かいのハックドラッグの地下1階に出来る新しいボルダリングジム「ライズ」の工事に通ってます。
なかなか広い!
地下特有のジケジケは全くなくて、煎餅も湿気ない(笑)

工事は非常に順調で、レギュラー5人フルメンバーに加え、教え子でもある新人3人が戦闘能力高くてかなりはかどっている!
最初の1週間で壁のだいたいのアウトラインは出来たので、明日も作業したら人並みに連休が取れそうだな(笑)
まあ、どこも混んでるからあんまりうれしくはないのだけれど。
月末からひとつきは次の現場は都内で缶詰め休み無しになりそうなので、今のうちに一息つきたいところではありますなあ。
でもまあしかし、
自営業には、忙しいのは本当にありがたいことです!

2016年3月17日木曜日

R→B-P→R

賑やかなライズ現場。
地下だけど広いので快適。
作業も順調!

午後からは再来週からの現場へ日吉丸と電車で出張。
こちらも広い!
けど暗くてローガンキャニオンなふたりにはなかなか辛い墨だし作業(笑)
新店長と新副店長の3日間の奮闘のおかげで、なんとかちょい残業であらかた完了。
通勤ラッシュで初段3本ぐらいトライしたような疲労感。これは毎日は絶対無理、ムリムリ!
再びライズに戻ると電飾看板が大きく輝いていた。
毎晩遅くまで頑張っているオーナーさん、そのやつれ方が心配だけど、たぶん一番大変な今が一番良い日々だったと思える日が来るときまで、応援してますよ!

明日も明後日も、
頑張っていきやしょう!
オーっ!

2016年3月14日月曜日

RISE戸塚の工事開始!

構想?年、大難産の末、ようやく工事が本日より着工しました!
かれこれ1年前からあれやこれやと、すったもんだと、紆余曲折。
自分の経験上、これだけ面倒続きな現場はナチュラルフェードアウトするか、オーナーさん自身のパッション喪失で中止となるのがほとんどなんですが、ねえ。
さすが東北の人は辛抱強い、というか粘り強い!
まさに初志貫徹で着工までこぎ着けました!

そんな気持ちに応えるべく当方最大化!?の8人体勢で割りとやりづらい搬入作業を若い衆の力で楽々こなす。
ついにGんにも後輩が出来た(笑)

場所は神奈川県電車乗降客数第3位の戸塚駅すぐそば!
詳細は追って。

ちなみに1位は横浜駅
2位は川崎駅、らしい。

モニタリング

島から帰ってきてからは各種事務仕事に追われ、強制的に現実世界?に独り矯正させられてる。
ジムに行く時間も数時間なら捻出出来たのだけど、まったくその気にならずになにもしないで昼寝(笑)
大変な中でも楽しかった日々は終わり、いまは現実世界への順応に全力を尽くして再び完全変態中!(サナギマン→レインボーマン)
そんななか、正月以来でしかもこの先またしばらく顔見せ出来ない父親のところへとんぼ帰り。
孫である次男も一緒だったのでちょっと意地悪な実験。
自分の服を着せて、自分のしゃべり方で部屋に入っていっていつ違うと気が付くか?というちょっとしたボケチェック。
結果は悲しいことに放送出来ない結末に。
近い未来の自分の姿を見ていると思うと複雑な気分。
反面教師というのは酷だけど、これが本当の現実なんだなあと。
自分の時は身寄りもないので、いまから何らかの手を打っとかないとと切実に思う。
暗い日曜日でごめんなさい。

2016年3月10日木曜日

浦島太郎

それなりに大変だったのだけど、やはり本州での生活に比べると竜宮城でしたな(笑)
だるくて痛い身体が都心に行くことを拒否するけど、仕方なく仕方なく。
キャンセル、延期、待機、やっぱり延期、を繰り返してきて振り回されている現場がふたつ、ギリギリで決まって、そして一気に準備へ。
脳ミソが都会のスピードに追いつかない!
信号も、人も、おおおおおおお過ぎる!
疲れた~
1日フルマックスでアチコチ動いてアチコチとずうーっと電波でやり取り。
疲れた~
これではまだ恐怖と闘っているほうが楽チンだなあ(笑)

玉手箱はもらってこなかったけど、スマホやタブレットを開いてしまったらあっという間に年老いてしまったとさ!
さあさ、明日も明後日も、
また日常生活のはじまりだ。

2016年3月9日水曜日

三宅島最終日

天気は下り坂。
風は弱いけど湿度はかなり高い。
ひとつき住んでいた部屋を片付けながら午後の船までどこで登るか迷う。候補はいくつかある。
ひとつは昨日の最後に登れなかった岩。ここは物理的にアプローチが遠いのと、昨日の感触ではちょっと自分には厳しそうな、ギリギリ感がいっぱい。岩のコンディションも悪そうだし、なにより自分のコンディションも全身筋肉痛で酷い。
ふたつめは伊豆岬。ここはアプローチも近くてまだまだ手付かずの岩がたくさんあるので初登コレクションを増やすには良いエリア。短い時間を有効に使うには良いエリア。
みっつめは宿から一番近くて数時間をあまり焦らずにこなせそうなサタドーエリア。
昨日の宿題をやるのが正道なんだが、迷うのは自分の実力に自信がないのと、もし登れなかったときにもう今シーズン来れないので、モヤモヤした気持ちを1年も持ち続けることに耐えられないことが予想出来るから。
登れない確率が高いのと、昨日の到達点より上の不確実性の高いムーブとそれを失敗したときののたうち回って救助を待つ情けない情景が頭をよぎる。
正直、怖い。

しかし、
身体は自然と目的地へ向かっている。
やるしかない、と自分に言い聞かせる。
普段は不安定で持ち運びづらいのでマットは二枚しか使ってなかったけど、借りてるもう1枚もしばりあげる。
歩きづらい砂浜をよたよた歩く。

風が無く湿度も高いので予想通り入口エリアの岩に昨日の午後に登るためにマーキングしたチョークも半分消えかかっている。
状態はかなり悪い。
幸い、大潮の引き潮始めだったので、岩海苔ぬるぬるのっこしは問題なく通過。
歩きづらい磯を20分ほどで伊ヶ谷エリア最奥のエリアに到着。
持ち時間は2時間程度。
まずはランディング整備のために取り付きの石を積み替える。あとは周辺にたくさんあった発泡スチロールの塊やブイを使って隙間を埋める。
ホールドはすっかりシオシオジケジケしている。
大量のチョークを使って、乾いて新鮮なチョークをまぶしたり刷り込んだりして、またブラッシングしてと、繰り返しシオシオ除去作業。
トップアウト周辺も、ムーブを想像しながらチョークブラッシング。
手の届かない核心部は、現場から持ってきた塗装用延長ポールにブラシをテラオカテープで固定してガシガシ除去作業。
そしてオブザベ。
時間的にも体力的にもトライはせいぜい3.4回だろう。
未知の上部のひとつひとつのムーブを想像して、同時にどこで落ちても受け身取れるように確認する。
昨日の突然のホールド剥離のこともあるから、いつどれが壊れても驚かないように想定しながらムーブを組み立てる。
しかし、
どう考えても最後の二手で落ちると右下のスラブに落ちてしまうので捻挫はまぬがれないだろうと想像できる。
怖い。

集中する。

誰もいない。
太平洋の島の外れで、小石が転がる波の音を聞きながら、恐怖心をあおる自分と闘う。
なんで岩、登るんだろう?
分からない。

のたうちまわって動けない自分にとって手の届くところに携帯を設置する。
スーパーネガティブな自分には、こうして常に最悪の状況を想像するクセが子供の頃からあって、困る。

すべてのムーブを頭のなかで組み立てることが出来たので、必要以上にチョークを指先に塗り込んで、トライ開始。

昨日の到達点を止める。異常に痛いカチが指先に突き刺さって指皮がむけながら破れていくのをスローに確実に感じる。昨日出来なかった左手マッチも出来た。指皮がズタボロになってる。
この先は未知。
足位置は低く延びきっている。あげるべき良きスタンスはなく、身体の力で5センチほどカンテにスメアフックしてる左足をずりあげる。
右上のタテホールドは遠いけど思いきって右手を出す。
止まった!
もうここからは絶対に落ちられない。
戻ることも出来ない。
自分の力量で上に行くしかない。
苦し紛れに右手を持ち直したら親指が掛かってピンチホールドに出来た。
あとはもう、ただただ
欠けないでくれ!
と懸命に思いながら次の一手。
止まってる。
そしてリップ!
とにかくぶっ壊れないでくれ、とマントル。
終わった。

声も出なかったが、特に感情も高ぶらなかった。
ただただ、
終わった。

そして、次の瞬間、自分に打ち克ったことに強烈に喜びが込み上げてきた。
なんでもかんでも自分の都合の良い方向に物事をとらえる弱くてズルい自分に、もっと弱いけど本心の自分が勝った。

しばらくこれまでのいろんな感情が高速で駆け回った。

安易な道はいつでも無限に招いているけど、物事の真理は有限なんだと。
岩登りやってて良かった。
登れて良かった。

恐怖の基準なんて個人の主観なので、グレードに加味するのはあまり意味がないように思う。

頭が真っ青で胸の紅いイソヒヨドリが舞っていた。
登れてしまうと特に難しくはなかった。
「イソヒヨドリ 初段」初登

台風が一回来れば、特に太平洋に囲まれた三宅島の海岸にある岩場は、下地が無くなったり埋まったり、最悪、岩そのものが無くなったりする。
常に変化している。
変化のサイクルが速いだけで、地球上の歴史的観念からすれば、ヨセミテだってブローだって常に変化している。
いまこのときに登るから意味があるように思う。

最終日に、
最高のクライミングが出来て、
自分はなんて幸せなんだろう。

三宅島の関係者の皆様、お世話になりました。
本当にありがとうございました。
感謝申し上げます!

2016年3月8日火曜日

5回目の火曜日

昨日の暴風雨から一転、朝から好天!
喜び勇んで本命エリアに向かうも岩はびちょぬれ。しかも風向きは逆風なのに波は高くて潮飛沫がひどい。
見て見ぬふりをしながらどんどん奥のエリアに向かうも、どうしようもなく濡れ濡れシオシオな岩を見るにつけ、現実を直視して敗退。
クルマに戻るとすぐに次のところへ。
こんなこともあろうことかと、釣り師向けの空撮写真とスナッパー情報を元に調べあげてあるのだよ、怪しいにゅうえりあを(笑)

いくつか探索するもどこもヌル。
早くも昼近い。
登りたい!モードなので西風なら絶対安全なサタドーエリアへ。
取りこぼしの岩をくまなく初登するつもりでムフフンとクルマを駐車場に停めて海岸をのぞきこむとありえへん光景が!
快晴のもと、意味不明な巨大うねりが次から次へとドッカーンと松竹ってる。
うーん、まずいなあ。
ピーカンなのに登れないなんて。。。

ダメもとで島サーキット2周目に突入(笑)
下見だけしてある伊ヶ谷港エリアへ。

オーっ!
なんと波は穏やかになっていた!
しかも岩も乾いてきている!!
さっそく入口エリアからアップを兼ねて登り始める。
そしてしばらくしてから赤くて小さい岬の奥にあるメインエリアへ。
さっそく本命の岩をトライ。
2時間ぐらい様々な試行錯誤をしつつそれが特上の至福の時間と知りつつも充分に味わいながらついに足元に。
テクニカルだった!
超楽しかった!
登れてしまうと簡単に感じてしまうが、難しめの初段、かな?

その後、いくつもの石を登り、太陽もたくさん浴びて満足。
下見で実際には到達しなかった最奥のエリアまで行く。
もう夕日で時間の余裕はない。
見た目に難しくてルックスも良いのだが、下地が悪くてあまり気乗りしない。
試しにトライ。
見た目と反してものすごいシオシオ!
なんとなく、少しずつ到達点が伸びていく。
んっ?これはイケルのか???
マット位置を吟味して、思いきって核心の一手を出してみる。
予想通り、遠くてかかりの悪い取り先だったけど、着地はギリギリセーフ。
んっ?マジでイケルのか?

とりあえずトップから抜け口確認とシオシオホールドにチョーク大量投与(笑)

本気トライ5回目。
指皮ズタボロ。
マットもギリギリ過ぎて一線を超えた一手を出せずに日没サスペンデット。
残念。
キーホールドが三回もぶっ壊れたから、それを踏まえれば、登れなかったけど攻めに攻めた良いトライが出来た、かな?

帰り道は大潮満潮が重なって、岩海苔に命を奪われそうになるヒヤヒヤものだったのも、ワイルドロックス!

すべて自分の力量で解決していくクライミングという「道」。

気持ち良い疲れが全身を包み込む。

明日はどこのエリアが登れるかな!

完全卒業

天気は大荒れ
風は強く雨は激しく叩きつける。
今日帰るというGんの乗る予定の橘丸は、八丈島敗退で引き返してきて、通常は13:40発東京行きの船は09:05繰り上げ出港に。
慌てて荷造り(本当はいつもどうなるか分からない島暮らしならいつでも出発出来るように仕度しておくものだが)。
その後、島に独り残る。
なぜなら
まだまだ登りたい岩がここにあるから!
しかし、
この天気だとやることもない。
そんなスキを知ってか、まだ島に居るということでおまけ仕事を軽く1日、いや、丸1日か?やって本日終了。
今回も、
いろいろ勉強出来たな。
人生は、
勉強の連続。
死ぬまで続くのだ。

明日は誰にも何にも、
邪魔されずに登れるといいな。

この世の中は独りでは生きていけないけど、
独りになれるチャンスがあるだけ、
自分は幸せだと
強く思う。

2016年3月6日日曜日

ひとつき

1年前から準備してきたビッグプロジェクトも、終わってしまえば過去のこと。
一連の3ピッチ目の撮影も本日無事に終了して、文字通り本日やっと完了!
改めて別人の目で見渡せば、そこは黒潮の流れる小さな島とは思えぬスケールとクオリティの高いルート、課題がひしめいている。
自分が登りたい壁、登りたいルート、ただただそれだけが核となって動いてきました。
カタチとなったいま、感慨無量ではあるけど、ふけっているほど自分はまだ老けている余裕はまったくない。
次、
こんなようなデカイ話が来たときは、あーしよう、こーしよう、という改善点ばかりが目についてくる。
まー、
限られた予算のなかではいつもベストを尽くしてきているけど、
必要以上に儲けようとか、安く仕上げようとか、そおゆう一般人が考えるような思考、嗜好?がないところが自分の病的なところだとも自覚している。
これが年の功、
つー奴なのかもとも最近やっと気づいてきた。

世の中、
本当にいろんな人がいる。

基本的にスーパーネガティブ思考な自分には、もちろん!
気にくわない人達のほうが圧倒的に多い(笑)
そんな人達に対して、
50を目の前にして、やっと少しは、若い頃、20、30歳代の頃よりは上手く付き合えるようになれた(笑)

次のビッグプロジェクト、その次のビッグプロジェクト。
ビッグじゃなくても、それまでの自分の人生を振りきって新しくジム経営をはじめようとするオーナーさんにとってのビッグプロジェクトのお手伝いを、
これからも誠心誠意受け止めて行きたい。
むしろ、
そおゆう人達にだけ、自分の残された時間を使って行きたい。
と、痛切に思った。
建前だとしても。