再追試験

一昨日までの汗が吹き出す陽気も、昨日からの曇り勝ちな天気のおかげで少し涼しい。
おとといの明日なき出港トライで沈没してから48時間。
昨日は7a+（5.12a）ぐらいまでの易しいルート数本でアクティブレスト。
そして本日は朝からどん曇りで岩も空気も朝の18度ぐらいを昼までキープしている！
本命のパイデイアはスルヘンシアの右寄りにあるので、晴れているとこの時期1330頃まで陽が当たるのでかなり岩が暖められてしまう。
今日はずっと曇っているので岩も18度のまんまのはず。
アップを済ませて1300にトライ開始。
ストーンマスターズ職人のひとりスラブマスターのY崎さんからもらった液チョーの乗りがいい！
核心こなしたあとの右足ニーバー（いちばんいいとこに届いてないけど）レスト風味ポイントでは、いつもはライフ残量35%ぐらいなのが今日は65%ぐらいあるではないか！
バスクのイケに教えてもらった小ハング越えムーブをこなしても、まだ50%残っている！

どこでも沈没できる残りの25mの大海原。
背中にゾウガメの甲羅を背負ったYK姉曰く「どこでも休める」と豪語された大海の真っ只中で、迷える176mm厚のペラペラハゲ中年男に許されたトライは今日しかない。
いつもよりは少しライフ残量があるとはいえ、前腕の芯はもののけ姫のアシタカの祟り神に侵された腕のようにドリュンドルンと自分の意思ではどうにもならない、ただの肉塊に変貌して行く。
「やっぱり今日もどこかで堕ちるな」と実感する。
これまで10回、パンプアウトした前腕でガバをガバとしない落ち方をしてきただけに、それはまるで
「機長、止めてください！」という羽田沖急降下墜落そのもの。
*注*知らない世代は要検索*

そんなスーパーネガティブな気持ちな、アンニュイな気だるい8本目のクリップ上の（仮）レストポイントで、見せ掛けだけの左右交互の腕振り体操していたら、来たんです。
カミカゼが！
ビューと吹いてくる風が、手指、手の平の汁を飛ばしてくれるではないですか！
そしたら、見せ掛けの交互体操が、本当にライフポイントを少し増やしてくれた(笑)
最高到達点を過ぎ、
最終ヌンチャクにもクリップ出来た。
あとは155度の最終局面乗っ越しだ。
通して来たのは初めてだったのでドキドキする。
最後の最後にカチがふたつ出てくる。
ライフは30%ぐらいか？
得意のヒールフックをかける。
決まった！
行ける！

うーん、
イケた！

ビレイポイントにクリップしたら自然と声が出てしまった。

どっかぶりでひたすら長い5.13C。
いくつか難しいポイントはあるものの、ボルダーでいうところの3級を越えることはない。
ひたすらエンデュランス。
辛かった(笑)
でもやっぱり、
自分はルートで育った人間なので、
やはり
長くて辛くてつなげるだけの難しい、
ルートが好きだ！

7日目、11回目でRP。

37.5mの航海、終了。

最終日の明日も
登るぜ！